“春眠不覺曉,處處聞啼鳥。 夜來風雨聲,花落知多少。”
(春眠暁を覚えず、処々啼鳥を聞く。夜来風雨の声、花落つること知る多少。)
中国唐代の田園詩人、孟浩然の「春曉」からの引用である。
早朝に出勤してあくせく働く世間の生き方に対して、春うららかな鳥のさえずりを聞きながら朝寝坊し、昨夜の雨でどれだけ花が散ったかな、と寝床で想像する悠々自適な田園暮らしを詠んでいる。
孟浩然や王維、江戸時代の日本で売茶翁と呼ばれた高遊外は、世俗を離れて地方を遊歴しながら書や文芸を嗜んでいた。その文化的隠遁生活は優雅なものに思える。
現代でも再び、中国大陸では若い世代の人たちが田園を目指し、地方で起業しながら隠遁生活を楽しんでいる。田園生活の風景を発信する大人気のYouTuber李子柒(リー・ズーチー)さんの映像をご覧になった方は多い…