中国最古の農書である「神農本草経」に、「神農は100の植物を自分の体で試し、72の毒にあたり、これをお茶で解毒した」という記述がある。それが本当にお茶であったかどうかは諸説あるが、少なくとも唐代初期には、経を読みながら酒に代えて茶を楽しむ「茶宴」が開かれており、日本の茶道にも影響を与えたと言われている。帰国後嵯峨天皇に茶を献じたとされる空海も参加していたかもしれない。
日本では一般に茶が知られるようになったのは、宋の時代。栄西禅師が「喫茶養生記」を記述し、食べ物が薬になるという「医食同源」の考え方は日本でも取り入れられるようになった。
中国には、「茶食」「茶菜」「茶膳」という言葉がある。肉の臭みや油っぽさを和らげてくれるお茶は、飲み物としてだけではなく料理にも使われる。欧米でも食材としてのお茶は注目されて…