『夜の木』『水の生きもの』などの絵本で知られるインドの出版社・タラブックス。職人の手作業で作られるプロセスやシルクスクリーンの風合いのある作品が特徴で、日本でも注目を集めている。
そんなタラブックスから2017年末に出版され好評を博した『TRAVELS THROUGH SOUTH INDIAN KITCHENS』の日本語版である『南インド キッチンの旅』を、京都のとある本屋で、ふと手にした。日本の建築家であり、デザイナーの齋藤名穂さんが南インドに滞在した3ヶ月で訪れたキッチンについてまとめられた本だ。
「キッチンは、旅でたどり着ける一番遠い場所」という帯に、ピンとくるものがあった。「キッチンにこそ、その土地の文化や日常の暮らしの本当の姿がある」と、齋藤さんは語る。
21のキッチン、レシピ、それぞれの家庭、ス…