麹は中国を起源とする説がある。
小麦文化の中国北部では餅麹、米食文化である南方ではばら麹を使っていたとされる。食べずに置きっぱなしにした米に偶然できたばら麹が起源で、前漢末に餅麹に置き換わったという説もあるが、真相は不明だ。
6世紀に書かれた北魏の農業指南書『斉民要術』には、13種類の麹の製法がまとめられている。現在では失われてしまった製法もあるが、現代の中国の麹の作り方の本に掲載されている麹の種類を紹介しよう。
大麹:大麦、コムギ、米、豌豆、小豆、緑豆などに種麹を使わず自然培養させたもの。パン1斤くらいの大きさで、嫌気・好気発酵が同時に進み、多様なカビ、酵母、細菌が共存している。
神麹(しんきく):小麦粉とふすま(麸)に、何種類かの生薬の汁や粉末を加えて発酵させたもの。多様な酵素が働き、漢方薬(消化促進剤)…