古道具を整理していた母から、祖母が昔使っていたというかつお節削り器を譲り受けたのはほんの2年前のこと。最初は、かんなが入ったこの箱の用途が分からず、戸惑ったことを覚えている。かつお節を削るものだよ、と教わったあとも、既に削ってある状態で小分けのパックに入っている普段目にするかつお節と、すぐには繋げられずにいた。
かつお節には荒節(あらぶし)と本枯節(ほんかれぶし)という2種類があることを知ったのも、恥かしいことにたったの1年前だ。京都中央卸売市場で、木の棒のようなのかつお節が並んでいるのを見て初めて、かつお節にもさまざまな種類があることを知った。荒節は、かつおの頭と内臓を除去し、ボイルして燻製にしたもの。 本枯節は荒節の表面を削り、カビを付けて熟成したもの。私が購入したのは少し高級な本枯節で、周りにこび…