季節の移ろいとともに土地に根ざしたものを食べ、伝統文化を次世代に残していくこと。それが、効率化や発展よりも大事だという価値観のもと、住みよい町を作っていく運動が全世界で広がっている。チッタ・スロー(Citta Slow)はイタリア語でスロー・シティの意味で、「ゆったり暮らすこと」をコンセプトに、スローフード運動をまちづくりの文脈に導入した考えだ。1999年に始まり、いまでは30カ国272都市が加盟していて(2020年1月現在)、日本では気仙沼や前橋市の一部地域で認定を受けている。
日本ではあまり知られていないが、韓国では15の都市が「スロー・シティ」として認定されており、そのうちの一つ、アジア初のスローシティーとして知らる潭陽(タミャン)のサムジネ村を2018年2月に訪ねた。
サムジネ村は、16世紀初頭の…