アジア各国の農村で受け継がれる伝統的な食の知恵を今までお伝えしてきたが、現代の日常生活のなかで実践するのはハードルが高いと感じている人も多いだろう。現代の暮らしの範囲で、私たちが実践できることはなんだろうか。今の暮らしに活かせるよう、文化を編集しながらリデザインしていく作業が必要なのではないだろうか。
そんな疑問を抱えながら今回、話をしてみたいなと思ったのは、地域に根付く食の知恵を広める料理家・ヤスダ屋の安田花織さんだ。
安田さんがすごいのは、各地を訪ね歩いて学んだリアルな知識を、東京にいながら実践されているということ。東北をはじめ、タイやインドネシアの農村など、奥地にじっくり滞在しながら代々受け継がれる食の知恵を掘り起こしつつ、現代のライフスタイルのなかで無理なく実践する。「田舎の古民家に引っ越さなくて…