番外編 vol.1: 花粉症の時期に知りたい、モクレンの薬膳スイーツ
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この時期どうも花粉症が辛い。私はいつも悪化すると蓄膿になり、長引けば1ヶ月、鼻が詰まったままになることもある。
花粉症には4つのタイプがあると言われていて、それぞれのタイプに合わせた漢方薬がある。鼻水がサラサラした花粉症には小青竜湯、悪化して熱証になってくると荊芥連翹湯や辛夷清肺湯。わたしは今回、鼻うがいすらできない酷さだったので辛夷清肺湯を飲むことに。次の日には改善し、今は庭に生えてるモクレンの花を煎じて飲む程度だ。ひどい時は小青竜湯を飲むが、今のところ、なんとか耳鼻科に行かずにすんでいる。
生薬としてのモクレンとコブシ
さて、コブシといえば、漢字で辛夷と書くが、「シンイ」と呼んで生薬名でもある。「田打ち桜」とも呼ばれ、コブシの花が咲いたら畑仕事を始める合図とも言われている。中国語で辛夷といえば、「モクレン」を指す。
生薬として使われる部位は、ねこじゃらしのようにもふもふしたあの蕾を乾燥させたもので、辛夷清肺湯や葛根湯加川芎辛夷などに使われる。効能として鎮静、鎮痛作用が知られており、主に鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎の改善に用いられる。私の庭に今咲いてるモクレンは五部咲きで、今の季節にぴったりな自然の贈り物だとしみじみくる。
コブシとモクレンの見分け方として、コブシは開花が少し早い。また、モクレンは上に向かって花が咲くが、コブシは方向がばらばらに咲くので、見分けやすい。
エディブルフラワー、辛夷の花を食べる
「木蓮(モクレン)」といえば、中国語では、ムーラン。ディズニーの映画にもなったあのムーランだ。中国ドラマのムーランでは、辛夷の花の刺繍で大騒動がおきるのだが、そんな国民的なこの花は、中華料理では、スープや卵焼きに入れたりと食養に使われるエディブルフラワーだ。日本ではこの花の活かし方についてあまり情報がないが、中国ではYoutuberたちが辛夷花の素敵な使い方を紹介してくれている。
漢方というと苦くてまずいイメージが強いが、木蓮のお茶はフローラルな甘い香りがして飲みやすい。ねこじゃらしのようなもふもふした蕾のときに保存しておくと、いつでも煎じて飲めるのでおすすめだ。
モクレンの杏仁豆腐レシピ
見た目も可愛く、生薬としても使われるモクレンを使った薬膳スイーツレシピ。今の時期にぴったりなので、ぜひ試しあれ!
<材料>
モクレンの花 4つ
豆乳 200cc
杏仁霜 大さじ1
砂糖 大さじ2
粉寒天 2g
<レシピ>
モクレンの花びらを1時間水につける(アク抜き)
豆乳に杏仁霜、砂糖、寒天を加え、沸騰させる
モクレンの花を加えてひと煮立ちさせる
型に入れて冷蔵庫で30分おく
来月のテーマは「お茶」。元々は薬とされていたお茶は単なる飲み物ではなく、文化芸術の基礎でもあり、薬草でもある。そんなお茶を暮らしに取り入れる知恵を学びます。お楽しみに。
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